馬鹿English

このブログでは、英語が苦手という人でも、受験で必ず役に立つ、押さえておきたい内容を網羅します。

第6講 動詞〜時制⑤〜 受験英語最初の難関!!「時制の一致」をわかりやすく解説

 

 

 

目次

 

1.はじめに

馬鹿Englishをお読みの皆さん。こんにちは。

前回までの完了形はしっかりとマスターできたでしょうか。

 

今回は、

今までの、現在形、過去形、未来形、完了形を使って、

具体的に時間を表すのが難しい場合について、

どのように表せばいいのかを解説していきたいと思います。

 

このようにどのように時間を表すのかという問題を、

皆さんも聞いたことがあるかもしれませんが、「時制の一致」と言います。

 

この時制の一致は、受験英語の中でも最初の難関とも言われるほどもっともよく問われる内容の一つです。

 

毎年センターでも文法問題で問われているほどの頻出事項ですので、今回の内容は必ず完璧に理解するようにしてください。

 

前回までの内容を復習したい方は、第2講から第5講と合わせて理解していただくととてもわかりやすくなりますので、ぜひそちらもご覧ください。

 

過去の講義については、左のサイドバーのリンクからご覧いただけますので、よろしくお願いします。

 

また、今後の講義も気になるという方は、ぜひ読者登録をお願いします。

 

 

2.時制の一致とは

時制の一致とは、先ほどはざっくりと、今までの現在形、過去形、未来形、完了形を用いて、どのように時間を表せば良いのか難しい場合の問題のことであるという説明をしました。

 

具体的には、

主節の時制と従属節の時制をどのように決めるか、という問題を言います。

つまり、一つの文章の中に2つの時間が存在する場合にこの時制の一致の問題が生じます。

 

では、これから各パターンに分けてどのように時制の一致を行うのか、あるいは行わなくていいのかを解説していきます。

 

⑴時制の一致をする場合

①同じ時点の場合

まずは主節と従属節が同じ時点を表す場合について説明します。

まずは、この例文を見てみましょう。

 

I think he is tired.

「彼は疲れていると思う。」

 

これは、今の彼の状況を今考えているという意味で、

主節と従属節とともに現在の時点のことを表しているので、両方とも現在形で表します。

 

次に、

I thought he was tired.

「彼は疲れていると思った。」

 

これは、過去に、彼が疲れていると言う状況を、その時に考えていたという意味で、

主節と従属節ともに、過去の同じ時点のことを表しているので、両方とも過去形で表します。

 

このように、

主節と従属節で同じ時点のことを表す場合には、

現在なら主節と従属節ともに現在形、

過去なら主節と従属節ともに過去形で表します。

 

②従属節が主節より以前の場合

次に、従属節の方が主節より前の時点を表している場合について解説していきます。

 

まずはこの例文から。

I know he was tired.

「彼が疲れていたと知っている。」

 

この場合、彼が疲れていたという過去の状況を、今知っているということを表しています。

つまり、

主節の時点が現在であるのに対し、従属節はそれより以前の時点を表しているので、

この場合、主節は現在形、従属節は過去形で表します。

 

次にこの英文。

I knew he had been tired.

「彼が疲れていたことを知っていた。」

 

この場合、彼が疲れていたという話の時点は、それを知ったという時点よりもさらに前のことです。

つまり、

主節の時点が過去であるのに対し、従属節はそれより以前の時点を表しています。

その場合には、主節は過去形、従属節は過去完了形で表します。

 

これは過去完了形の「大過去」という用法で、実は第4講でも最後に説明しました。

 

忘れていたという方は、ぜひ第4講をもう一度確認して復習してみてください。

 

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③従属節が主節より未来の場合

次は、従属節が主節よりも未来の時点を表している場合について説明します。

それではこの例文を見てみましょう。

 

I think he will be tired.

「彼は疲れるだろうと思う。」

 

この場合、彼が疲れるだろうという未来の内容を現在考えているという意味で、

主節が現在の時点を表しているのに対して、従属節は未来の時点を表しています。

 

そのような場合には、

主節は現在形、従属節は未来形で表します。

 

次に、この例文を見てみましょう。

I was he would be tired.

「彼が疲れるだろうと思っていた。」

 

この場合、彼が疲れるだろうという未来の内容(主節の時点から見て未来という意味)を過去の時点で考えていたという意味で、

つまり、主節は過去の時点、従属節はそれより未来の時点を表しています。

 

その場合には、

主節は過去形、従属節は未来の助動詞(助動詞についてはのちの講義で説明します)willの過去形のwouldを使って表します。

 

以上が時制の一致をしなければならない場合の基本です。

ここまでで説明したパターンが時制の一致の基本になりますので、以上の内容は必ずマスターしてください。

 

 

⑵時制の一致をしない場合

次は、先ほどの場合と違い、時制の一致をしない場合について説明します。

ちなみに、時制の一致をしない場合というのは、⑴で説明した時制の一致をする場合の例外です。

 

 

それではいくつかのパターンについて解説していきます。

 

①時間に関係のない普遍の事実

まずこの例文を見てみましょう。

We learned that water boils at 100 °C.

「水は100°Cで沸騰すると習った。」

 

この場合、

習ったという過去の時点に対して、

水が100°Cで沸騰するという普遍の事実を表し、

 

主節の時点に関係なく、

従属節の内容は過去から現在、未来にかけての時点と関係のない普遍の事実を表す場合、

 

主節の時制にかかわらず、従属節は現在形で表します。

 

このパターンは、時制の一致をしない場合のひとつとして説明していますが、受験英語としては、「時制の一致をしてはいけない場合」と覚えておいてください。

 

②現在も繰り返し行われている動作

次にこの英文を見てみましょう。

 

My grandfather said that he goes for a walking every morning.

「祖父は、毎朝散歩をしていると言った。」

 

この場合、祖父が言ったのは過去の時点ですが、

散歩をしているのはその時だけでなく今も行われている動作です。

 

したがって、

主節が過去であったとしても、

従属節の内容は現在も繰り返し行われている動作を表しています。

 

このような場合には、

主節を過去形で表したとしても、

時制の一致は行わず、従属節は現在形で表します。

 

このパターンの場合には、

従属節も過去形にして時制の一致をしても間違いではないです。

 

③歴史上の事実

最後にこの例文を見てください。

I learned that Mozart was born in 1756.

「モーツァルトが1756年に生まれたと習った。」

 

これは、私が習ったという主節の過去の時点に対して、

モーツァルトが生まれたというのはさらに過去の時点です。

 

なので、時制の一致の原則に従って考えると、

主節は過去形、従属節は過去完了形を使って書く(大過去)ことになるのですが、

 

「モーツァルトが生まれた」という歴史上の事実は、明らかに過去の話だということがわかるので、

そのような場合には主節の過去形に対して従属節を過去完了形にして前後関係を明らかにするまでもなく、

主節はそのまま過去形でいいのです。

 

このように歴史上の事実を表す場合には、

時制の一致をしてしまうと逆に不自然な意味になってしまうので、

時制の一致はしないようにしましょう。

 

 

3.まとめ

以上で時制の一致の説明は終了です。

時制の一致は、センター英語でも頻出で、

英文を読む際に時間的な前後関係を明らかにするものでもありますので、この理解が曖昧だと前後関係がわかりません。

 

また、時制の一致は長文だけでなく、英作文やリスニング問題を解く際にも前提となるほど重要なものですので、

 

ちなみに、センター試験では例外となる時制の一致をしない場合についての理解を問う問題が非常に多いですので、

例外についてもしっかり理解してください。

 

当然、原則があっての例外ですので、原則についてもしっかりマスターする必要があります。

 

それでは、第2講から第5講までと合わせてしっかり時制全体を復習しておいてください。

 

今回で動詞についての講義は一旦おしまいです。

次回は、動詞に意味を付け加える「助動詞」についての講義を行いますので、よろしくお願いします。

 

それでは、最後まで読んでくださった皆さん、ありがとうございました。